作家養成コラム
作家養成コラム
2019.05.13
ワープロソフトの設定新入生の皆様に、必ずご質問頂くのが、ワープロソフトを利用される場合の文字数の勘定の仕方と、ページ設定についてです。
プロの作家も多くがパソコンを使って執筆する時代になりました。様々なソフトの利用が考えられますが、ここでは、最もユーザー数の多いマイクロソフト社のWord(ワード)についてご説明します。
例えば、講師が課題作の字数を「1600字以内」と指示した場合、400字詰めの原稿用紙での字数=枚数を指しています。「1600字」とは「原稿用紙4枚」です。
ここで、原稿用紙に手書きした場合を想像して下さい。段落を変えた場合、その行には空白マスが出来、次の行の1マス目は空けて次の段落を書き始めます。この時、いずれの空白マスも手書きの原稿用紙では、「マスを使った」ことになり、字数として勘定することになります。
さらに言うと、時間経過を表したい為に1行空けたとすると、この1行分(20字)も「使った」ことになります。
ところが、ワープロソフトの場合は、スペースキーを用いた「空白」は設定によってはカウント(勘定)させることが出来ますが、段落を変えた場合の「空白マス」や時間経過を示す為に空けた1行分の「空白マス」は、カウントされません。(下図を参照 ※クリックで拡大表示されます。)
Wordでは、画面の下(ステータスバーと言います)に文字数を表示させる機能があります。(画面左下に表示されます)又は、メニュー操作から文字数を確認することが出来ます。これらを使用して文字数を確認した際に、「1600文字に達していないのでまだ書ける」と思ってしまうのは誤りです。実際には、空白マスを勘定していませんので、これらの文字カウント機能で「1600文字」となるまで書いてしまうと、原稿用紙4枚分の指定からはオーバーしてしまっています。
※上の図の例では、400字詰め原稿用紙1枚(ページ)の最後のマス迄入力をしましたが、文字数は「342字」です。(空白を入れると347字です。段落の最初に1マス空けた“スペースキーでスペースをいれた”箇所が5箇所あります。5文字分の空白をカウントした字数が347字です。)
指定文字数にしっかりと収めたい場合は、20字×20行にページ設定した状態で指定枚数までに収まっているかを確認して下さい。長い作品の場合で、20字×20行にしていると印刷枚数が増えて困る場合は、適宜ページ設定を変更しても構いませんが、作品提出の際には作品の最後にでも「原稿用紙換算枚数」(20字×20行=400字詰め原稿用紙の何枚に相当するのか)を入力しておきましょう。また、コンクールに応募する際には、それぞれにページ設定の指示がありますので、よく確認して応募するようにしましょう。
上の例では、原稿用紙としてページ設定をしており、マス目(罫線)がひかれていますが、多くの場合マス目はひかないように指示されます。コンクール応募の場合も、“30字×40行に設定すること”等のように指示があります。ページ設定を行う場合は、「レイアウト」の「ページ設定」のグループの各ボタンから設定を行うか、「ページ設定」の右下のアイコンをクリックし、「ページ設定」ダイアログボックスを表示して設定します。余白については、特に変更する必要はありません。縦書きにする場合は、ページの向きは「横」に設定します。
(下図を参照 ※クリックで拡大表示されます。)
(下図の例では、20字×20行に設定しています。)
(※「文字数と行数」タブの「文字数と行数の指定」で「原稿用紙の設定にする」とすると、原稿用紙のマス目はひかれませんが、原稿用紙と同様に1マスに1文字を書き入れるように等間隔に文字が入力されます。)
原稿用紙換算枚数を確認したい場合は、上記の操作を行い、何ページになるのかを確認します。ただし、応募先の様式がある場合は、最初から指定通りに設定して執筆されることをお勧めします。さらに注意したいのは、正しく設定していても、ページ設定後にフォントサイズを変更すると、指定した字数が入力できていない場合があります。例えば、フォントサイズ12ptなら1行に20文字収まるところが、20ptにすると文字が大きすぎ、Wordによる自動調整の結果、20文字収まっておらず必要字数に達していなかった、ということが起こります。下記の「ステータスバー」を活用し、1行に指定した字数が収まっているかを確認するようにしましょう。
Wordの画面下をステータスバーと呼びます。ステータスバーに表示させたい項目がる場合は、ステータスバーで右クリックすると一覧が表示されますので、必要な項目をクリックして下さい。「ページ番号」「行番号」「文字カウント」を表示しておくと便利です。「文字カウント」は、選択した範囲に入力されている文字数や、ファイル内に入力されている文字数を確認することが出来ます。